好きな時間は7時15分と12時17分、そして0時15分のSHOJIです

で・で・で

オレは明日から高校生だ

今日はもう歩く事の少なくなった、歩き慣れた道を歩いた・・・

その時、浮かんできた中学校の時の話をしよう

第1章 ++++++++登校路++++++++

オレの登校路は学校までの、殺風景な一本道だった

その道を変える事になったのは、中三の二学期からだった

一本道の途中を曲がり、その道をまっすぐ行くと小さな新聞社にたどり着く

その建物の下にオレを待っている女性がいた

オレはいつも彼女を待たせっきりで、たまに怒られる事もあった

珍しくオレが早く来た日は、いつもより時間が長く、暇に感じた

この時間を倍以上待っている彼女が怒るのもわかる気がした

初めの方は会話も途切れ途切れで、周りの目も気になってしょうがなかった

2人から初めて出た言葉が『バイバイ』と、いう日もあったくらいである

そんな日は、朝からどうも気力が出なくて、空もヒトも何もかもが滲んで見えた

何を言っても返事で途絶える会話・・・

こんな日が続いた・・・

第2章 ++++++++2人だけの想ひ出++++++++

体育祭の日の放課後、彼女の友達がオレのハチマキを貰いに来た

そのハチマキは彼女が欲しいと言っていたらしい

オレはすんなり渡した

でも、彼女のハチマキはオレの元にくる事はなかった・・・

オレの下校路は曖昧で、日によって帰る友達も違っていた

しかし初めは登校だけだったのが、下校も一緒にいれる事になった

こうして、しだいに2人の会話が成立する様になった

彼女が笑ってる時はオレも笑う

オレが笑ってる時は彼女も笑う

辛い時も悲しい時もこの時間があれば忘れて幸せになれた

学校で会っても全く会話のないオレ等だからだろう

その時は学校の時間が短く感じた・・・

彼女と一緒にいれるためだけに、学校はあるのだと思えるほどだった

2人での会話は、友達との会話と比べるとあきらかに短かっただろう

それでも、一緒にいれる事が嬉しかった

たとえ、会話よりもメールの方が多いとしても・・・

文化祭の日の放課後には写真を撮ったりもした

彼女から貰った写真のオレはどうもやるせなかった

登下校に手を繋ぎ始めたのは2学期の最後の方からだった

彼女の手のぬくもりが、心から体全体を暖めてくれそうだった

登校途中でクラクションを1回鳴らした車があった

その車に乗っていたのは彼女のかァさんであった

見られた事を彼女はオレにテレながらも嫌そうに言った

テレる彼女の顔はどことなく可愛くて、優しくてオレは好きだった

3学期に入り受験シーズンも大詰めとなってきた

もう成績は関係ないものの、授業は大切であった

そんな時でも、オレの頭は彼女の事を考えていた

受験近い事もあってPCに向かうのはなるべく避けた

その点、帰り道は彼女の家の近くまで行ける事となった

いつも別れる道から彼女の家の近くまでは結構な距離があった

オレの家までとは大違いだった

こんな長い道のりを雪の中歩いて着てくれた上に待たせていたと思うと

自分に腹が立って仕方なかった・・・

オレがかなり遅れたせいで遅刻した日もあった

その日の帰り道でオレは彼女に一緒に朝行くのを止める事を言った

彼女は黙ってつぶやいた

その日は知らず知らずのうちに涙が出て、止まらなかった

何故早く行く事を考えなかったのだろうか・・・

また一緒に行く様になってから、彼女の家の遠さを知ったわけで

結局は早く着いたとしても大分迷惑をかけていたのだ

試験近くなるとまたオレは朝行くのを止めた

今回は彼女が否定した

でも、なんと言われ様とオレはあきらめなかった

朝早く家を出る分、早く起きる・・・

オレのために使う時間を少しでも勉強に当ててやりたかった

第3章 ++++++++3年生の宿命++++++++

オレの第一志望のところは彼女の第一志望より試験が早かった

もちろん彼女もすべりどめで受けた

試験当日はオレと彼女の試験の部屋は同じだった

同じ教室で机に向かうのがこれで最初で最後であった

おそらくこの後もないだろう・・・

合格発表の当日は雨が降っていた

放課後先生から不合格という結果を言われた

第一志望を落ちたオレは一人で帰ろうとしていた

ましてや、一人で真っ先に帰り泣いて忘れたかった・・・

しかし、外では彼女がオレを待っていた

彼女も落ちていたのだ・・・

オレよりもはるか頭の良い彼女も・・・

その下校途中彼女はオレの横で泣き出した

無理もない、すべりどめに落ちてしまったのだから・・・

泣きたいのはオレも同じだった

でも、ココで泣いては彼女をもっと辛くするだけであった

彼女を優しく抱きしめた・・・

その時オレは彼女の涙を見て

この事は忘れてはいけないと思った

彼女が笑えるよう、悔しさを忘れずに頑張ろうと思った

県立受験は違う場所であった

結果を言えば両方受かった

オレは第二志望、彼女は第一志望だ・・・

受験の終わってからの登校日の朝・・・

オレはいつもの待ち合わせ場所にいた

彼女が来るだろうか・・・

軽く交わした約束を覚えているだろうか・・・

その約束は受験前に一緒に行くのをやめた日のメールだった

オレは受験が終わったらまた一緒に行こうと言った・・・

しかし、彼女は来なかった

まァ念入りにした約束でもなく、受験という事もあって忘れられたのには無理はない

その日は遅刻で学校へついた

これが登校日残り2日の日であった

そう、次の日は卒業式なのだ・・・

卒業式当日も彼女はやはり来なかった

事前に言えば来てくれただろう

でも、何故かオレは言う気には、なれなかった

これから、毎日会える事がなくなるというのに・・・

義務教育から解放された時、それは毎日会えなくなった時だった

卒業式の放課後に写真を撮った

それと第2ボタンをあげた

オレは受験前に名札を貰っていた

そう彼女が制服の胸の所につけていた名札だ・・・

その名札は今もオレの制服の右ポケットに入っている

オレの1番のお守りである

この高校に来たのもお守りが導いてくれたのだと、思い後悔はしていない

第4章 ++++++++桜++++++++

何もない春休み

ボーっと過ごすオレの目にとまった1枚の手紙・・・

PTAの作る手紙だった

集合写真に写る彼女・・・

一度も一緒のクラスには、なれなかった

3年の時まで、存在さえもよく覚えていなかった

初めて会ったのは1年の時に行っていた塾である事が分かった

そこではメガネをかけていたが、今はかけていない

オレはメガネをかけている方が好きだ・・・

話を少し戻そう・・・

今までクラスがずっと違った

コレからもずっと違う

1日何回か会えていたのにこれからは会えなくなる

一緒に学校へ行ったり帰ったりも出来なくなる

それを思うと涙も出る

当然話す機会も減る

もう少し1学期2学期頑張れば、同じ所に行けたかも知れない

それが今大いに悔やむ事である

オレの行く学校は彼女の家に近い・・・

(続きは秘密で)

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

日記内を検索